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自然の中で考える、心が豊かになる暮らし
建築 日常のできごと 大右

先日、島根県の隠岐諸島を訪れました。
今回巡ったのは、海士町と島後。
海士町では以前から訪れてみたかった「Entô」へ、島後では島ならではの自然や風景を巡りました。
まず印象に残ったのが、海士町にあるEntôです。

館内に入ると、大きな窓の向こうに広がる海と島の風景が目に飛び込んできます。
建物自体に目を向けると、木やコンクリートといった素材はとてもシンプル。けれど、その空間に身を置いてみると、建築そのものを見せるというよりも、窓の向こうにある自然をどう感じてもらうかということが丁寧に考えられているように感じました。
海の青さ、島の緑、移り変わる光。
建築が一歩引くことで、そこに以前から存在していた風景の美しさが、より鮮明に感じられます。
島後へ渡ると、Entôとはまた違った形で、自然の圧倒的な力を感じる風景に出会いました。

長い年月をかけて成長した大きな木々。
海や風によって形づくられた岩肌。
山の中を歩いた先に現れる景色。
そして海辺には、自然とともに営まれてきた暮らしの風景も残っています。

新しく整えられたものだけではなく、雨や風にさらされながら時間を重ねてきた木や建物にも、不思議と惹かれるものがありました。
隠岐を巡っていて感じたのは、自然の中にいるだけで、少し心に余白が生まれるということ。
海を眺めること。
木漏れ日の中を歩くこと。
風の音を聞くこと。
特別な何かがなくても、そんな時間があるだけで心が少し豊かになっていきます。
暮らしの豊かさも、同じなのかもしれません。
大きな窓から緑が見える。
朝の光が室内に入ってくる。
木や石など、自然の素材に触れる。
お気に入りの場所で、何もせず過ごす時間がある。
便利さや機能だけでは測ることのできない、そんな小さな心地よさの積み重ねが、毎日の暮らしを豊かにしてくれるのだと思います。
これからの家づくりでも、建物だけを考えるのではなく、その先にある光や風、景色、そしてそこで過ごす時間まで含めて、「心が豊かになる場所」をつくっていきたいと思います。






