"暮らし"と"住む"、日本語として | 枚方市のリノベーション・リフォームはgreen建築工房

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“暮らし”と”住む”、日本語として

日常のできごと まや

こんにちは!

GWも終え、皆様いかがお過ごしでしょうか。
4月から新たなスタートを切った方も少しずつ日々の生活に慣れてきた頃かもしれません。

かくいう私もgreen建築工房に入社してから3ヵ月が経ち、たくさんの人と暮らしに関わることのできている今に感謝しながら過ごしております。

前職から圧倒的に人と話す機会が増え、お打合せ等でお話しさせていただく皆様それぞれの想いなどに胸を打たれる一方、自身の発する会話や言葉というものに対する重みを痛感する毎日です。

言葉を大切にしていくにあたり、「日本語」というものに着目してみます。
日本語は世界の中でも少し特殊な言語だと言われています。
単純に言語特性として母音と子音の組み合わせである音節が単純であったり音素の数が少なかったりで難しいという点もあるのですが、言葉を処理・言語化する脳の部分で英語等を使う方との違いが出てくるようです。

日本語

まず、西洋をルーツに持つ言語を用いる方々は母音と子音を分けて認識し、右脳と左脳の両方を使って処理しているといいます。
この処理の仕方は仕分けに近く、ビジネスを中心に発展してきた国々の特色が出ているそうです。
しかし、島国として言語を確立させた日本人は母音も子音も一緒くたに左脳で処理しており、自分と他者を隔てるような役割を果たしていないといいます。
これは、日本人が縄文の頃から物事を空間を中心に認識しているため、自然に感謝し自然と繋がろうとするような視点からきており、これを「虫の視点」というそうです。
そんな視点を持った古代の人々が作り上げた言語が日本語なんですね。
逆に、西洋ルーツの方々は、人を中心に物事を認識しているため英語等では俯瞰的に感じる表現が多く、これを「神の視点」というそうです。

日本人は虫の鳴き声を左脳で言語として処理しているとも言いますし、少し不思議な部分が多いように感じます。
先人たちが豊かな自然の中で作り上げた音をそのまま言語として用い、現代まで守られてきたのが日本語だと考えると、ものすごく大切にしたくなりますよね。

少し前までは漢字の由来に惹かれていたのですが、言葉としての日本語にも興味が出てきて、『日本の言葉の由来を愛おしむ』という本を本棚から引っ張り出して読んでいました。

日本語に対する淀みのない愛が綴られたような一冊でした。
本の帯にもあるような”住む”や”暮らす”といったおうちづくりに関わりの深い言葉も掲載されていたので、今回紹介させていただこうと思います。

“暮らし”

“暮らし”という言葉の「くら」は「暗くなる」「日が暮れる」という意味で、「日が暮れるまで時を過ごす」ことであり、そこから「月日を送る」「生活する」という意味が生まれたそうです。
「日が暮れるまで時を過ごす」という文の「時」とは自然の変化であり、ゆったりと動く太陽と、その下で生きる全ての生きものと、その一員である自分の心身の状態が一体となって変化するという感覚からきているものです。
自分の体が太陽や他の生きものと共に「時」を刻んでいると感じていた先人たちにとっては、「日が暮れるまで時を過ごす」ことは、自然の一員として今日の命を生きることに他ならない、そのような大きなイメージを含む言葉として生まれたならば、現在の「月日を送る」「生活する」という広い意味に変化していったのはごく自然なことであるといった考えが記されていました。
まさに日本語の成り立ちを想起させるような言葉ですね。
“暮らし”という言葉にはどことなく大らかで、穏やかで、温かみがあり、その一方で、かいがいしく働く人の息づかいも感じられるような豊かな趣があるという内容に強い共感を感じました。

日暮れは毎日やってきます。仕事や家事で忙しい時間帯でしょうが、沈む夕日をゆっくり見る機会があったら、ぜひ「暮らし」を感じてみてください。
ー高橋こうじ著『日本の言葉の由来を愛おしむ -語源が伝える日本人の心-』

“住む”

語源辞典によると、”住む”の語源は「澄む」であり、建物の中で寝起きをすると人の心が安定し、澄んだ状態になることから現在の”住む”という言葉が生まれたそうです。
安心のできない場所での睡眠の辛さを思ったとき、その頭の中はまるで川の水が淀みなどのせいで濁っているような状態であり、逆に安心できる場所でぐっすり眠るときの頭の中は川の水が澄んだような状態であると表現されていました。
人間にとって1つの場所に落ち着くことは心が安らぐことだと言えるでしょう。
それは多くの人にとって屋根と壁のある空間を得ることで実現されるものであり、それがあれば大抵はしばらくそこに落ち着くことになる。
だから”住む”という言葉は落ち着くような、ほのかな安らぎをまとっているのだそうです。

私の心の中では、屋内で暮らせる幸せと安眠の喜びが結びついています。私の住む家は築四十年を過ぎ、しょっちゅう雨漏りの修理をしています。でも、私は毎晩ぐっすり眠っている。それは毎夜、この屋根と壁が私の頭を澄む状態にしてくれるから。そう思うと家への不満は消え、愛おしさが増します。
ー高橋こうじ著『日本の言葉の由来を愛おしむ -語源が伝える日本人の心-』

これからも皆様の”暮らし”の場、”住む”空間が素敵なものになるように精一杯お手伝いさせていただければと思っております。

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