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みどりと空間について
建築 遥
時間の経過で気付くこと
最近「みどりの空間学 36のデザイン手法」を読みました。数年前にお世話になったデザイン事務所の先生が書かれていること、その当時進行していたプロジェクトの完成写真、そして何より肌で感じていたことが言葉で解説されておりとても刺激を受けました。
古谷デザインの事務所には緑が溢れ、机の上に大きな鉢植えの植栽があったり、事務所の中が緑だらけで初めて入ったときの印象は強くあります。建築の空間のみならず植物についても詳しく、建築の空間と共に必ず緑の提案をしていました。
内外のつながり
green建築工房の事務所
働く環境は人生の中でかなり多くの時間を過ごす場所です。green建築工房の事務所もみどりを育てながら暮らしています。室内で見え隠れする緑と窓外に広がる河川敷の緑。内外での空間の繋がり、内外どちらも切り離して考えることはできないと感じます。
原点 -小さな森の家-
建築を職業にして10年近く経つ中で幾度となく立ち返る建築はやはり吉村順三さんの軽井沢の山荘です。何か自分自身の根底にあるものがあるのだろうと思います。
大学の図書館で吉村順三さんを知り、東京の目白にある旧事務所で開かれていた個展を訪れました。そこでお弟子さん達建築家の方とお話させて頂き、その中のおひとり平尾寛先生の事務所で夏休み期間働かさて頂けることになりました。この小さな森の家の本は平尾先生から頂いたものです。
平尾先生の元で働かせて頂いていた期間、様々な現場へついていく機会を頂き、吉村建築も多く見させて頂きました。いつも平尾先生は個室でデッサン、作図をしておられお昼にはランチを所員みんな分作ってくださいました。
室内の自然と外の自然それを繋ぐ建築。常に同時に考えながら設計します。
最後に吉村順三先生の言葉からひとつ。
「設計は 建築家に問題をうんと与える。いい注文をどんどん出すことは必要です。この人はどういう住み方をしたらいいのかということをまず考える。これが判らなければだめです。目的がはっきりしてからではなくてはできません。ディスカスして矛盾を次々解決してゆく、といったやり方ですね。」