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「場」の空気を変える
インテリア リノベーションとは 建築 貫十
前回のブログに引き続き、バックパーカー時代に出会った建築シリーズ。
アジア各地を旅した中でも思い出深い地 バリ島。
インドネシアはイスラム教が最も多いのですが、バリだけは「バリヒンドゥー」と呼ばれる独特の宗教文化が深く根付いています。
バリの寺院が好きでよく散歩がてら訪れ、ボーっとしていました。
夕方になると地元の子供たちが集まってきて、民族舞踊の練習をします。
バリ舞踊のレゴンダンス
そんな日常に溶け込んでいるバリの寺院ですが、必ずあるものが存在します。
割れ門です。
そこを通り抜けると、、人の心の邪悪な部分が浄化され清らかになる と信じられています。
日本の鳥居と同じかもしれません。
同じ敷地内なのに、そこをくぐるだけで気持ちが引き締まります。
割れ門があるだけで「場」の空気を変えることができます。
この心理作用は住宅などの設計をする際にも活用します。
ひとつの大きな部屋でも、床の素材を変えるだけで、違う「場」になります。
床の素材だけでなく、少し段差をつけるだけでも「場」は変わります。
その他にも部屋の真ん中に低めの棚を置いても変わります。
天井の素材を変えたり、天井から「のれん」のような布を垂らしたりと、色々な「仕切り方」があります。
そうやって空間に変化をつけることで、ただ広いだけの空間にならずにすみます。
ただ広いだけの空間を「間延びした空間」と言ったりしますが、そうならないように意識しながら、ゆるく繋がって遊び心のある空間をつくっていきたいと思います。