団地リノベーション 更新すること | 枚方市のリノベーション・リフォームはgreen建築工房

ブログ

団地リノベーション 更新すること

インテリア デザイン リノベーションとは 建築

はじめに

green建築工房でブログを書くのは、今回が最後になります。
最後に取り上げるのは、現在進行中の団地改修プロジェクトです。

この計画は、エンジョイワークスが展開する HELLO RENOVATION の取り組みの一環としてスタートしました。
既存ストックを活かしながら、これからの暮らしをどう更新していくかを考えるプロジェクトです。


団地というストックに向き合う

高度経済成長期に整備された団地は、
老朽化や空室といった課題とともに語られることが増えました。

一方で、住戸寸法の素直さや構造の明快さ、
周辺環境との距離感など、
現代の住まいづくりにとって再評価すべき要素も多く残されています。

HELLO RENOVATIONは、こうした団地を
単なる「中古住宅」ではなく、
これからの暮らしを試行できる場として捉え直す取り組みです。

今回の計画でも、新しくつくることより、
これからの時間を受け止められる状態へと更新することを意識しました。


住まいの重心としてのダイニングキッチン

計画の中心には、大きなダイニングキッチンを据えています。
ここは単なる「食事をする場所」ではなく、
作業をしたり、考え事をしたり、人が自然と集まる場所です。

個室を細かく分けるのではなく、
生活の重心をひとつにまとめることで、
住まい全体に緩やかな一体感を生み出しています。

素材や仕上げは主張しすぎず、
団地特有の均質な構造を背景として、
家具や光によって暮らしの輪郭が立ち上がることを意図しています。


余白としてのリビング・ベンチスペース

リビングは、用途を固定しすぎない空間として計画しました。
座る、寝転ぶ、仕事をする、何もしない。
その時々の暮らしに応じて使われ方が変わる余白です。

窓際のベンチは、外の気配を感じながら過ごすための居場所。
団地という環境の中で、
住戸の内部に小さな居場所のバリエーションをつくっています。


土間と廊下がつくる奥行き

玄関から室内へと続く動線は、
内と外を明確に切り分ける境界ではなく、
暮らしのリズムを切り替えるための余白として設えています。

土間、廊下、居室が連続することで、
団地特有の細長い平面に奥行きと視線の抜けが生まれています。


平面構成について

団地の構造スパンを素直に受け止めながら、
用途を固定しすぎない平面構成としています。

個室で完結するのではなく、
住まい全体が緩やかにつながることで、
住まい手自身が暮らし方を選び続けられる余地を残しました。


green建築工房での時間を経て

green建築工房で過ごした時間を通して、
建築は完成した瞬間よりも、
使われ続ける時間の中で意味を深めていくものだと学びました。

この団地改修プロジェクトは、
その考え方を実践するひとつの試みでもあります。

これまで関わってくださった皆さまに、心から感謝します。
そして、この先も建築と暮らしの関係を、丁寧に考え続けていきたいと思います。

ご相談は無料です

家づくりを考え始めた方、
ご質問やご相談などお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

関連記事