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建築・自然・インテリアが織りなす

建築 日常のできごと 大右

先日、国立京都国際会館(ICC Kyoto)のOpen Dayに訪れました。通常は国際会議や学会などで利用される施設が、この日は市民に開放され、館内を自由に巡ることができる日でした。宝ヶ池の緑と静けさに包まれたこの会館は、建築・自然・インテリアが見事に調和した空間であり、特別な一日となりました。

建築者についてですが、この会館は大谷幸夫氏とその大谷研究室による設計です。1963年に開かれた公開設計競技でこの施設の案を登録195件の中から選ばれ、1966年に竣工しました。本館の建築は、台形・逆台形の組み合わせや斜め柱など、動きと自然を意識した構造が特徴的で、背景にある宝ヶ池や比叡山などの自然環境と呼応するデザインになっています。

インテリアデザインについては、多くの家具が剣持勇氏のデザインです。戦後日本において近代インテリア・デザインを切り開いた先駆者の一人で、「ジャパニーズモダン」様式を体現してきた人物です。彼のデザインした椅子やラウンジの調度品は、建物の建築美と無理なく溶け合い、居心地良さをつくる要となっていました。

椅子やラウンジチェアは、直線と曲線のバランスが絶妙で、長時間座ってまどろみたくなるような座り心地。木や金属、布といった素材が、コンクリートや石という建築素材と対話していて、空間が冷たくなりすぎない仕上げになっていることに感銘を受けました。


ロビーの照明や細かなディテールも見逃せません。光の入り方を考慮したトップライト、庇(ひさし)の陰影、家具の配置が自然な動線をつくるようになっていて、「形式ばった会議場」ではなく、人々が自然に集い、話し、交流することを想定した設計であることが伝わってきます。
建築の構造的な迫力(傾斜した壁や斜めの柱など)と、家具・調度という“動かせるもの”のやわらかさ・親しみやすさのバランスが、ICC Kyoto の空間体験を特別なものにしていると感じました。

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