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建築コストと向き合う
リノベーションとは 建築 遥
建築コストの上昇
建築コストの上昇が続いています。
材料費や人件費の高騰、物流コストや為替の影響など、社会全体の動きが、住まいや店舗の計画にも大きく影響するようになってきました。
同じ予算でも、数年前と同じ内容ではつくれないという現実に直面する場面が増えています。
そうした中で、お客様から「理想をどこまで実現できるのか」とご相談いただくことが多くなりました。
日々の現場で、より良い方法を探して仕様や素材を見直すうちに、自然と気付かされたことがあります。

諦めずに代替案を探っていく
必要なのは「諦める」ことではなく、設計として“別の角度から見直す”こと。
仕上げや寸法、収まりをひとつひとつ丁寧に見つめ直すことで、その空間にふさわしいかたちを探る。
単なるコスト調整ではなく、「この場所でこの人がどのように過ごすか」という、根本的な問い直しが含まれていると感じています。

コスト時代に問われる設計価値
“削る”というより、“選びなおす”。
そこに意思と意味があれば、制約のあるなかでも空間には一貫性が生まれていく。
設備や素材を変えることは、後ろ向きな選択ではなく、空間全体のバランスを再構築するための設計的判断です。 むしろ、そうした判断が求められる今だからこそ、設計という行為の価値が試されているのかもしれません。
コストがシビアになる時代にこそ、「工夫」と「選択」によって立ち上がる空間の魅力を、丁寧にかたちにしていきたいと思っています。
