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ブーム再燃!気になる団地リノベとは?
リノベーションとは 建築
#2. ブーム再燃!気になる団地リノベとは?
”団地”と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
いま、「団地リノベーション」の需要が若い世代を中心に高まっています。
各種SNSでもかなり頻繁に見かけるように感じます。
今回は、団地リノベの人気の理由や特徴などをご紹介します。

1.団地とマンションの違い
どちらも集合住宅ではありますが、この2つには違いがあります。
まずは団地とマンションの違いをご説明させていただきます。
マンションとは
マンションとは、RC造などの3階建て以上の共同住宅のことをいいます。
平成以降に建てられたものは、オートロックや宅配ボックスなどの防犯性能やジムやプールなどの共用施設が充実している物件もあります。
ちょっと堅苦しくてわかりにくいですが、法律で定められたマンションの定義が下記になります。
1.2以上の区分所有者が存在する建物
2.1のうち、人の居住の用に供する専有部分のあるもの
上記の1の条件のみを満たしているものは区分所有建物と呼ぶ。
マンションは、区分所有建物のうち、1つ以上の専有部分が住居として使われている建物のこと。
団地とは
団地とは、昭和30年〜昭和50年代の高度経済成長期に多く建てられた集合住宅群のことを言います。
県や市町村が運営する公営住宅や都市再生機構(UR)が建設した住宅など、自治体や公的機関が管理するもので、ビジュアルとしては広い敷地の中に集合住宅がいくつもまとまって建っているというようなイメージです。
団地は2DKなど少々狭めの住居が中心ですが、広い敷地に余裕をもって建てられているため、緑が豊富で、採光・通風などの住環境に恵まれた物件が多いです。
狭めと表現はしたものの、このキャパの物件だからこそゆったり1人暮らしをしたい若年層や限られたスペースをアイデアで自分好みに変えていきたいという方々の支持を獲得していると思っています。


2.団地のメリット/デメリット
団地のメリット
1.快適な生活環境
団地は低層のものが多いうえに建物同士の間隔が広いため、自然光を取り入れやすく風通しがいいという特徴があります。
室内まで明るく、湿気もたまりにくいという快適な生活環境がメリットの1つです。
また、団地エリアとなると敷地が広いこともあり、緑の多いゆったりとした周辺環境が期待できます。
2. 子育てがしやすい
団地の敷地内に公園や広場が設けられている場合が多く、子どもの遊び場や住人の交流の場として活用することができます。
子どもを安全な環境で遊ばせることができたり友達も作りやすかったりと子育て世代にもおすすめの環境です。
3. 価格が安い
賃貸の場合、家賃が低価格なうえに更新料がかからない場合が多いです。
分譲の場合も物件価格が安く、中古物件ともなれば手の出しやすい金額帯になります。
また、公的機関の団地では契約等の手続きが比較的簡単で管理費も抑えられているケースが多いため、入居者の負担少ないです。
このコスパの良さも人気を後押ししています。
4. 周辺施設が整っている
大規模な団地周辺には、住人向けのスーパーや飲食店、病院など、生活するうえで便利な施設が充実していることが多いです。
また、比較的交通の便がいい場合が多く、日常的な買い物や通勤、通学にも便利です。
団地のデメリット
1. エレベーターがない場合がある
築古の団地ではエレベーターが設置されていないことが多く、上の方の階に住む場合は大変かもしれません。
日常的な買い物の度に階段を上まで登るのは億劫と感じる人も多いのが現実です。
また、大きいものを搬入する際や引っ越しの際の荷物運びも懸念点ではありますよね。
2. 築古団地の居住者が減っている
築古の団地では現状空室率が高くなっており、それに伴って高齢化が進むことで若い世代が入居しにくい点も懸念点かと思います。
しかし、最近のブーム再燃からリノベーションや再生事業によって住環境の改善を進めている団地も増えてきています。




3.団地のイメージの変化
冒頭の問いに立ち返り、皆さんは団地にどのようなイメージをお持ちでしょうか?




昭和30年〜昭和50年代の高度経済成長期、当時では珍しいRC造にシステムキッチンや水洗トイレなどが採用され、団地は入居するのも大変なほどみんなが憧れる住宅でした。
しかし、建物の経年変化や住人の高齢化、少子化による共用施設の使用者減少、人口減少による周辺商業施設の閉鎖や退去が進んでいったのは事実。
時代の流れに否応なく巻き込まれ、衰退した過去のあるこの住宅に先入観を持つ人は少なくないでしょう。
羨望の的から一変、人々の関心を失っていた団地の価値が現在見直され始めています。
2.団地のメリット/デメリットで述べたように、団地は日当たりや風通し、周辺環境など潜在的なポテンシャルを持っています。
特に住居が過密な現代社会において、窮屈さの無いゆとりある敷地で生活できるのは団地の特権でしょう。
お客様に毎回お伝えしていることの1つに、物件を選ぶ際はリノベーションでは変えられない周辺環境を重要視して欲しいというお家づくりのポイントがあります。
リノベーションでは変えられないロケーションやコミュニティなどの独特の雰囲気と魅力、暮らし方が団地には存在します。
自宅内は自分のこだわりを全面に詰め込み、落ち着くにリンクするレトロさも感じられる、そんな場所で暮らすというライフスタイルに若い世代の方々はエモーショナルを感じてくれているのだと思います。


4.団地リノベの特徴/注意点
団地の建築構造と耐震性について
RC造の中で、団地に多い構造として壁式構造の可能性が高いです。
よく聞くラーメン構造というのは建物を柱と梁で支えるものですが、壁式構造は建物を壁で支えます。
ちなみに、壁式構造の方が耐震性は高いとされています。
強い建物といえど、物件購入前には構造の安全性や過去の工事履歴などは必ず確認しましょう。
壁式構造における間取り変更
先述の団地に多い壁式構造は、建物を壁で支えているため耐力壁となっている壁が多いです。
これはつまり、ラーメン構造に比べて撤去できない壁が多いということになります。
間取り変更に制限がかかることがある点は注意が必要です。
もちろん壁式構造でない団地や抜いても問題ない壁もあるので、間取りを変更したい場合は物件の確認が重要になってきます。
また、構造だけでなく管理規約上の制約がないかなどはチェックしておきましょう。
既存設備に注意
フルリノベーションをする際、水回りも同時に入れ替える方がほとんどです。
配管等の劣化を放置しておくと、水漏れや水質劣化などトラブルに直結します。
団地では昔の設備がそのまま使われていることもあるため、これらの改修ができるかどうかも事前に管理組合への確認が必要です。
団地の施工が得意な業者選び
団地リノベは気を付けるべきポイントが多数あります。
解体し始めてからトラブルが起こらないように業者選びは慎重に行いましょう。
団地リノベに慣れている、もしくはマンションリノベの実績が豊富な業者を選ぶことをおすすめします。
まとめ
団地リノベは、物件の購入価格を抑えることができるため、その分をリノベ費用に充てたり、入居後のインテリアにお金をかけられたり、他にお金を回せるという点が大きな特徴の1つだと思います。
そして前述にもあるように今の過密な集合住宅では考えられないような敷地の広さや自然の多さ、整備された周辺施設等、子育て世代を始め1人暮らしの方それぞれのライフスタイル・ニーズにマッチした環境が整っているのではないでしょうか。

