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迎える建築、寄り添う庭。
建築 日常のできごと 理央
先日、石川の金沢を訪れました。
金沢駅に降り立って、まず目に入るのが「鼓門」です。

大きな構えでありながら、不思議と威圧感はありません。
それは、この門が“見せる建築”ではなく、人を迎え入れるための建築としてつくられているからだと思います。
- 鉄骨は使っておらず、集成材を使った木造建築。
- 金沢で盛んな伝統芸能の能楽で使われる鼓をイメージした設計で、高さが13.7mあり2本の太い柱に支えられた門構えは圧巻です。
どう見せ、どう感じさせるかまで含めて設計されている点が印象的です。
鼓門の上部には、大きなガラス屋根がかかっており、雨や雪を防ぎながら、光はしっかりと通します。
ここは完全な屋内でも、ただの屋外でもありません。
人が立ち止まり、待ち合わせをし、少し気持ちを落ち着かせてから街へ向かうための、
「間(ま)」のある場所になっています。

兼六園に入ると、空気が一気にやわらぎます。
園路はゆるやかに曲がり、視線は遠くまで一気に抜けないようにつくられています。
足元の土や砂利、木々の揺れ、水の音が自然と歩く速度をゆっくりにしてくれます。
人の行動を無理に制御せず、空間をゆっくりと楽しめる、そんな庭園でした。
鼓門も、兼六園も、主張しすぎないのにしっかりと記憶に残ります。
それは「心地よさ」を軸に設計を考えられているからなのかなと感じました。
とても素敵な空間に触れられた体験でした。
