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ユニット型小屋によって村を活性化する
デザイン 建築 現場日誌 涼
岡山県西粟倉村。
その場所で、約2年前に単身者向けのユニット型住宅を設計しました。これは株式会社エーゼログループさんとの協働プロジェクトで、村に移住したいと考える人が最初に直面する「住む場所が見つからない」という課題に応えるための取り組みでした。


村では、移住希望者が地域に馴染みながら時間をかけて住まいを探すことが多い一方で、短期的に滞在できる住宅が不足していました。その状況を改善するため、設備を最小限に抑えた単身者専用の小さな住宅を5棟整備する計画が立ち上がり、現在もその住宅は満室が続いています。
その後、村のニーズはさらに広がり、「二人暮らしができる住まい」への要望も高まっていきました。そこで今回、新たに2人程度が暮らせるユニット型住宅の建設が始まっています。
昨日は、その建て方工事が行われると聞き、西粟倉の現場を訪れました。2棟が無事に上棟し、建物の輪郭が立ち上がった姿を見ることができました。前回の単身型とは異なり、内部空間の広がりや、外部に対する開き方が今回の設計の大きなポイントとなっています。


自然に囲まれた西粟倉村という環境と、住まいとしての安心感。そのふたつのバランスをどのように整え、どんな暮らし方にも寄り添う場所にする——。
今回のプロジェクトでは、住まう人の変化や価値観に柔軟に応えられるユニット型住宅のあり方を追求しています。
村に新たな人の流れを生む“小さな住まい”。
そこから広がる未来を想像すると、これからの工事の進捗がますます楽しみです。