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テート美術館展で「光」に魅せられて
デザイン 建築 日常のできごと 貫十
先日、テート美術館展で開催された「光」をテーマにした展示に足を運びました。
毎年自分の誕生日には美術館に行くと決めてます。
今年は忙しく、行くか行かないか迷ったけど、行って大正解!
一年で一番「贅沢!」と思える時間でした。
18世紀末から現代までの200年間に及ぶアーティストたちの作品をみてきました。
そこで見た光の表現の豊かさと深さに、深く感動。
この展示は、光がアートと建築に与える影響を探求するもので、さまざまなアーティストたちの作品が展示されていました。
特に心に残ったのは、光と影が織りなす繊細なコントラストを描いた作品群。
光一筋が暗闇を切り裂くものもあれば、壁に落ちる柔らかな日差しを表現しているものもあります。
これらの作品を目の当たりにして、私は谷崎潤一郎の「陰影礼賛」を思わずにいられませんでした。
谷崎はこの作品で、日本の伝統的な美意識、特に陰影を重んじる文化について語っています。
「光」を表現するために「影」を表現する。
この展示を通して、建築における光の使い方の重要性を改めて実感しました。
建築物にとって光は単なる明るさを提供するものではなく、空間の雰囲気を創造し、建物の性格を形作る要素です。
例えば、自然光を巧みに取り入れることで、建物内部に柔らかく、生き生きとした空間が生まれます。また、光と影のバランスによって、空間の深みや質感が引き立ちます。
谷崎の言葉を借りれば、西洋では光を最大限に活用して明るく開放的な空間を作り出すのに対し、日本の建築は光と影を慎重に扱い、独特の静謐な美を追求しています。
この対比は、建築が文化や環境に根差したアートであることを示しています。
今回の展示訪問は、光と影が織りなす芸術の世界を新たな視点で見る機会となりました。
そして確信したのは、建築は「光」を操る「芸術」だということ。
建築における光の役割を深く理解することで、私たちの生活空間に対する感覚がより豊かになると考えています。
光を通じて、建築が持つ無限の可能性にワクワクした一日でした。