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古建具と町家改修
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現在進めているリノベーションの計画の中に京都の明治時代に建てられた町家を改修する計画があります。
古い町家を購入された方からのご依頼をいただき、設計を進めています。
今週はお施主様と京都の古建具屋さんに行き、内部の建具として使えるものがないか探しました。
今回伺ったのは夷川通りにある井川建具道具店さん。夷川通りは京都でも有名な家具屋さんが多い通りで、今は新しいカフェや雑貨、照明屋さんなど様々なお店が並んでいます。
全て古建具ですが、在庫の量がまあ凄かったです。。圧倒されました。
古い町家で使われてきた建具を売っているのですが、デザインや元の用途は様々です。
欄間や屏風なども置いてありました。
建具の種類を説明しだすと多くありすぎて書ききれないのですが、今回のリノベーションに使用することになった建具を紹介したいと思います。
写真の右の建具は「無双戸」と呼ばれる建具です。
無双戸とは連子と呼ばれる格子の部分が前後に2つ並んでいて、外側を固定して内側を左右に動かして使用します。内側を動かすことにより、連子の隙間が重なって閉まったり、隙間ができたりして、窓の開閉が可能。無双戸は、茶室においては水屋や寄付の土間に見られ、それ以外では、換気を目的として、雨戸の一部や和風建築の台所の欄間などに用いられていたようです。
お客様もこのデザインが気に入って、リノベーション後のプランでは書斎となる部屋の扉として使用する予定です。
今ある町家の特性を壊すのではなく、再解釈して活かすことができるように建具も家具も素材も、丁寧に選んでいけたらと思っています。