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リノベーションで大切にしていること
20代後半にバックパッカーをしていたことがあります。
「バックパッカー」とはバックパックだけを背負って海外をあちこち旅する人たちのことです。
仕事を放り出して(厳密には会社を退職し)海外へ向かった日を昨日のことのように鮮明に覚えています。
インドネシアのバリまでの片道チケットを握りしめ、ドキドキとワクワクで興奮していました。
もともと海外志向が強かったのか、日本の「みんな同じがいい」空気感が嫌いだったのか、とりあえず日本から抜け出したかった。
いろんな文化や人種と接して、「みんな違っていい」というのを確かめたかった。
その他にも、世界のいろんな建築も見て、体感したいという理由もあった。
ボロブドゥール遺跡(インドネシア)
タージマハル(インド)
ブルーモスク(トルコ)
サントリーニ島(ギリシャ)
半年ぐらいの予定が気づいたら2年くらい放浪してたのですが、、、
一番良かった場所は?
小さな小さな島
一周約3km
歩いても一周1時間もかからないくらい。
1万3466個もの大小の島からなインドネシアの小さな一つの島。
有名な建築どころか電気も通ってません。
更に水道から出てくる水は雨水です。
雨水がなくなったら水はなし。
泊まっていた宿のすぐ目の前はビーチ。
目の前のビーチで野生のイルカが遊んでます。
海に潜れば、体長1mぐらいのウミガメにつかまって泳げます。
モスクは美しかった。
サントリーニも素敵だった。
でもやっぱり自然には勝てない。
電気も水道もなくても最高だった。
木陰にはベンチがあり、気づくと人が集まり、井戸端会議が始まっている。
その空間が大好きだった。
その時に確信した。
『作りたかったのはこの空間だ』と。
なにもないからこそ、水や電気のありがたさもわかっているし、
みんなが助け合いながら生きていることに感動。
直接的に今やっているリノベーションと関わってくる訳ではないのかもしれないけど、
空間づくりにおいて、忘れることなく大切にしているもの、自分のベースを作っているものになっている。
見た目の美しさやデザインも大事だけど、もっと大切なもの、「心の豊かさ」みたいな感覚が原点になっている。